フィリップ・モリス社の「インサイダー」(内部告発者)初来日!

「世界禁煙デー」特別講演会ご案内

V・デノーブル氏「たばこ」を告発

 今年は、1980年に「未成年者喫煙禁止法」が施行されて、ちょうど100年です。
 しかし近年、未成年者の喫煙は増加の一途をたどっており、「ザル法」を通り越して「底抜けバケツ法」となっているのが現実の姿です。
 そこで、私たちは『「STOP!未成年の喫煙」実行委員会』を結成、米フィリップ・モリス社の元研究員・ヴィクター・デノーブル氏(心理学者)に白羽の矢を立てて、「世界禁煙デー」(5月31日)に際して、東京での講演を要請してきました。
 このほど、デノーブル氏の快諾を得、また会場は青山学院高等部の全面協力をいただき、「特別講演」が実現の運びとなりました。
 講演会の前日、5月27日(土)は映画『インサイダー』の全国一斉ロードショーがスタートする日でもあり、同氏の来日は大きな話題を呼ぶことと思われます。

V・デノーブル氏のプロフィール

 米国におけるたばこ会社の情報操作を暴き、禁煙運動の潮流を決定づけたのがデノーブル氏である。同氏は、フィリップ・モリス社の研究員として1980〜84年まで4年間在籍した。この間「安全なたばこ」開発に携わり、その過程で、ニコチンが”依存性物質”であることを実証したことから解雇され、不当な脅迫を受けた。このためデノーブル氏はデータを公開、たばこメーカーを告発、米国の禁煙・嫌煙運動に大きな影響を与えた。
 米連邦政府によるたばこ広告禁止、公共の場所での喫煙禁止等は、同氏もリーダーの一人となっている全米の市民運動組織が、クリントン大統領や議会を動かしたからと言われている。この間の経過は、全米でベストセラーとなった『タバコ・ウォーズ』(早川書房)にも紹介され、現在も多くの講演や執筆などで、たばこの危険性を鋭く追及している、正義感にあふれた心理学者である。今回の講演の中で、ニコチンの本当の恐ろしさと、それを隠そうとするタバコ産業の深部が明らかにされるだろう。

未成年者喫煙禁止法制定100周年記念キャンペーン
「アブナイぞ! タバコは命とり」
5月28日(日)青山学院高等部PS講堂にて

ゲストスピーカー紹介
ビクター・デノーブル博士(Victor J. DeNoble, PhD)
生年月日
1949年12月3日
学歴
1971年  アデルフィー大学(N.Y.)  心理学学士号取得
1974年  同上              実験心理学修士号取得
1976年  同上              生理学的心理学博士号取得
教職
1972−1976    アデルフィー大学心理学部助手
1973−1976    ニューヨーク市立大学心理学部助手
1976−1977    ニューヨーク州立大学助手
1976−1978    ニューヨーク市立大学心理学部講師
1977−1978    ニューヨーク州立大学心理学部講師
1983−1986    バージニア連邦大学心理学部講師
1986−1987    トレントン大学心理学部講師
1989−1990    デラウエアー大学心理学部助教授
職歴
1974−1977    ニューヨーク市ダウンステイト医療センター、精神医療部
             研究室電気生理学主任研究員(国立アルコール問題研究所
             支援による)
1976−1977    同 センター生物心理学・解剖学部研究助手
1978−1980    ミネソタ大学精神調査ユニット研究助手(国立薬物問題研
             究所支援による)
1980−1983    フィリップ・モリス研究所行動薬学研究班班長
1983−1984    同班長兼副主任研究者
1984−1987    エイヤースト実験研究所中枢神経研究助手
1987−1990    デュポン・デ・ネモラス株式会社中枢神経研究所助手
1990−1991    デュポンメルク薬品株式会社実験部中枢神経研究所助手
1991−1992    同開発訓練所所長
1992−1997    デラウエアー州厚生省精神関連部主任行動分析官
1997−1998    アメリカ肺協会デラウエアー支部タバコ・フリー計画責任
             担当者
1999−現在      ヒショー科学・医療コミュニケーション研究所副所長  

メッセージ
タバコをすえば、ニコチンは肺から心臓を経由してわずか4秒で脳に達します。脳に入るとニコチンは脳の働きを変えてしまい、いつしか依存症になるのです。ネズミの実験でどのようにニコチン依存に陥るかをお聞かせします。なぜネズミが?ネズミは人間のように宣伝に踊らされることもないのに、なぜネズミがニコチンを欲しがるのでしょうか。
ニコチンは薬物(麻薬)だからです。       ビクター・デノーブル

過去の主なテレビ出演(米国)
デイトライン
60ミニッツ
ABC,CBS、NBCニュース
プライムタイム
おはようアメリカ


講演より抜粋
 21年前、私は猿をつかってアルコール依存症の研究をしていました。日本のY博士とも共同でしたこともあります。サラという雌ざるにある日タバコを吸わせてみたところ、興味を示し、吸い込んで頬袋に煙をためました。しかし、決して肺には吸い込まなかったのです。動物実験でタバコを吸わせたことがありますが、肺にまでタバコの煙をすいこむ動物はいませんでした。人間だけが恐れを知らず肺深く吸ってしまうのです。
 1980年にフィリップモリス社から依頼を受け、安全なタバコの研究を始めました。
ニコチンをタバコから全て抽出し、代わりに薬物を添加させることによって、依存性はあるが心臓病はおこさないことがわかったのです。この新製品“安全なタバコ”に会社側は当初満足していましたが、5ヶ月後態度を変えこの企画は隠蔽されてしまったのです。理由は安全なタバコの出現は現存のタバコを否定してしまうからです。
 その過程で、ネズミにニコチンを与える実験をしました。この実験ははじめてでしたので、実験装置がうまく機能するかどうか確かめるために、先ずヘロインを使って実験したのです。ヘロインを体内に注入しても数日間依存性はありませんでした。約3週間たつと食事はとらずただレバーを叩き続けたのです。ある朝みると、ケージが血で汚れていました。鼻からの出血です。次の1週間で今度は目から出血していたのです。ついに8ヶ月後に死にました。
 次にニコチンです。ネズミの血管に直接ニコチンが入るようにしたのです。その時のニコチンの量は人間との比率で小さいタバコを作成し、煙で吸ったと仮定した量を設定しました。レバーを押すとニコチンが血中に入るようになっていました。1本分のタバコを与えると急激なニコチンによる中毒反応を起こしますが、その後2,3日レバーを全く押そうとしません。実験は失敗しました。そこで人間が吸うように1本のタバコを10回ふかすという設定で、ニコチンが注入されるようにしました。するとヘロインと同じように約21日で依存性を示しました。3ヶ月後には1日90本すうという状況になったのです。人間の場合12才ぐらいで少しずつ吸い始めると約6ヶ月で完全な依存症に入ると言われています。軽いタバコを少しずつの方が依存性を誘発することがわかったのです。
 最終的にはネズミの脳にニコチンが直接注入されるように機器を改良し、ネズミがニコチンのみを求めつずけることを証明したのです。この実験の報告をみて、PM側の弁護士達は会社に不利になると考え、実験中止を命令し私を解雇したのです。
 すべての記録は一時持ち出したのですが、PM社と裏でつながっていた弁護士にだまされ、証拠となる資料を会社に取られてしまいました。しかし、手許に残った数枚の研究室を示すスライドがFBIの関心をよび、すべての記録を政府は会社から押収してくれたのです。タバコ産業7社の重役はそのことを知らないで国会で証言したのです。その2週間後に私が証人として呼ばれたわけです。このことによって、タバコ産業は事実を隠していたことが露見し、ミシシッピー州をはじめ各州のタバコ和解裁判の重要な証拠となったのです。
 アメリカでも喫煙率は平均26%ぐらいですが、15才前後は38%にもなります。
しかし、カリフォルニア州やマサセッツ州のように未成年に対する徹底的な喫煙予防教育は効果があり16%までに喫煙率を下げています。その意味で喫煙防止教育は高校生ではなく、小学生から始める必要があるのです。日本で未成年者喫煙禁止法が制定されて100年を迎えたことを伺い、この法律が有効に活用されることを願うものです。肺がんなどの恐怖心をあおる方法ではなく、小学校3、4年生からタバコの事実、本当の性質を丹念に教えていくことが大切だとおもいます。
以上
(翻訳文責:宮崎 恭一)


『STOP!未成年の喫煙』実行委員会
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 1-11-1
Can Do Harajuku内

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■たばこ問題情報センター/『禁煙ジャーナル』編集部(渡辺文学)
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