第5回アジア・太平洋たばこ対策会議
(The 5th Asia Pacific Conference on Tobacco or Health)
全国禁煙・分煙推進協議会
事務局長 宮崎 恭一
主催者:アジア・太平洋たばこ対策協議会(
Asia Pacific Association for the Control ofTobacco = APACT
)会 長:ダニエル タン
(Dr. Daniel Tan) Tobacco-Free Foundation of the Philippines, Inc. 代表期 間:1998年11月23日〜26日
場 所:フィリッピン、スビークベイ・クラウンピークコンベンションセンター
参加人数:330名(内146名はフィリッピン人)
参加国数:22カ国
日本人参加数:22名
はじめに
1995年の第4回会議(タイ、チェンマイ)、1997年には第10回たばこか健康か世界会議に続いて、11月23日からフィリッピンのスービックベイにて、第5回アジア・太平洋たばこ対策会議(または、アジア・太平洋たばこか健康か会議)が開催されました。スービックベイはマニラから約
130km北西にある米海軍基地跡(1992年返還)の施設を改良し、アジアでも有数なコンベンションセンター、リゾートセンターとして機能しています。この地域はフリーポートとして、関税なしの物品が手にはいることでも有名です。アメリカのたばこ産業との訴訟和解は、世界に大きな衝撃を与えましたが、見方を変えれば、国際たばこ企業が市場としてめざしているのがアジアであり、自国での損失をアジア市場の拡大でカバーしようとしていることは明らかなのです。1987年に日本の市場にアメリカたばこが無関税で入り、1988年には韓国、そして1989年には台湾に目標が定められたのです。APACT(エイパクト)はそのような背景で
1989年6月12日に台湾で(会長:デイビッド イェン博士、John Toung財団)発足し、来年は10周年を迎えようとしています。その間、1990年にターゲットなったタイは外国たばこ輸入禁止の措置をとったが、米国通商代表に押し切られ、アメリカたばこを輸入することになりました。しかし、タイは対抗措置としてたばこ広告の全面禁止、未成年者喫煙禁止法など次々と規制化していったのです。それらを支援したのがAPACTの参加国でした。さらに、会議の中で、米国、オーストラリアなどの厚生省関係者、学者、禁煙活動家からアドバイスを得てきました。因みに、第2回会議は1991年韓国ソウルで、第3回は1993年日本の大宮で開催されました。本会議の要点
S.T.Han博士の挨拶(WHO西太平洋地域事務局長)
○WHOとして、たばこ対策に多くのエネルギーと資材、人材をつぎ込んできたが、西太平洋地域の国々では、まだたばこの広告がはびこり子どもたちや女性が標的にされている。
○たばこ産業は1991年〜2000年に33%の売上増を計画している。この地域の人口は2025年までに5億人の増加が見込まれているので、現状の喫煙率が維持されると必然的にたばこ産業の思うつぼになる。
○たばこ消費増加の可能性として、未成年者がたばこを買える経済力がついてくること、女性を目標としたたばこ広告が功を奏していること、たばこ産業がスポーツ・芸術・ポップコンサート・ディスコなどのスポンサーとなっていることなどが考えられる。
○今後、各国はたばこの害をもっと認識して欲しいし、たばこ病以前の病気と闘っている国を応援しながら、その隙間から侵入してくるたばこ産業の策略を暴露し、禁煙教育の徹底をはかっていきたい。
基調講演
Dr. Deborah Shure(デボラ シュア博士)アメリカ胸部医学校教授、肺財団
a)未成年を標的にしない
b)アニメのキャラクターを用いない
c)スポーツのスポンサーを制限する
d)若者向けの景品を禁止する
e)1箱20本を最低基準とする(バラで売ってはいけない)
○その他各国からの報告があった。
タバコ産業サイドからの告発
3年前にやめた米国の某タバコ産業のフィリッピン支店長が名前を伏して特別講演。いくつかのコメントを列挙します。
フィリッピンたばこ情報
たばこの代金比較(1P=3.3円)
アメリカブランド PM 20本 30P
Hope 20本 20P
マルボロ 20本 25P
アメリカから輸入 ケント 20本 80P
1カートン
U$8〜10(DF)U$3(PX)
日本から輸入 マイルドセブン
20本 80P
1カートン
U$11(DF)国産品 タバコ 30本 5P
チャンピオン 10P
会議宣言
THE 1998 SUBIC BAY INTERNATIONAL DECLARATION OF
SUPPORT FOR ACTION TO CONTROL TOBACCO
たばこ対策活動を支持するスービックベイ国際宣言
FROM THE
5TH ASIA PACIFIC ASSOCIATION
FOR THE CONTROL OF TOBACCO CONFERENCE
23-26 November 1998
第5回アジア・太平洋たばこ対策会議
1998年11月23〜26日
PREAMBLE
前文
Knowing that tobacco is an addictive substance and the most important single preventable cause of premature death:
たばこが依存性を持つ物質であり、若年死を招く原因として、最も重要で単一且つ予防可能であることを念頭におき、
Recognizing that the Asia-Pacific region currently consumes half of global cigarette production and will suffer dramatic increases in tobacco-caused diseases in the next 20-30 years;
アジア太平洋地区の国々が現在シガレット世界生産量の半分を消費しており、今後の20-30年間、たばこに起因する疾病の劇的増加に苦しむであろうことを認識し、
Being aware of the deceit and misrepresentation by the tobacco industry on tobacco issues;
たばこ問題に関するたばこ産業の欺瞞とごまかしに留意し、
Noting the legal judgements that require tobacco companies to compensate for tobacco-caused health care and other costs;
たばこに起因する医療その他のコストの補償をたばこ会社に要求する訴訟判決に注目し、
The 330 participants to the Fifth Asia Pacific Association for the Control of Tobacco (APACT) conference from 22 countries and areas, urge:
第5回アジア太平洋たばこ対策会議に22カ国および地域から参集した330名の参加者は、下記の事項を主張し提案する:
1. That all governments actively support the WHO International Framework Convention on Tobacco Control;
1. すべての政府は「WHOたばこ対策国際枠組条約」を積極的に支持すること。
2. That the International Monetary Fund, the World Bank, regional development banks, and international agencies consult with the World Health Organization on all tobacco-related trade and economic decisions that impact health;
2. IMF、世界銀行、地域開発銀行および国際機関は、健康に影響を及ぼすすべてのたばこ関連経済・通商事項の決定に関して、WHOと協議すること。
3. That countries and areas follow the example of the US government in not using their offices, embassies or trade representatives to intervene on tobacco issues except and unless discriminatory measures against imported tobacco apply;
3. 各国および地域は、輸入たばこに対して輸入国が差別的取り扱いをした場合以外は、大使館・通商代表事務所などを通じた干渉を行わないという米国の例に倣うこと。
4. That the tobacco industry be excluded from the Multilateral Agreement on Investments (MAI) or other proposed international agreements;
4. たばこ産業を多国間投資協定その他提案中の合意から除外すること。
5. That all countries and areas become tobacco-advertising free;
5. すべての国と地域からたばこ広告を排除すること。
6. That all countries and areas affirm the rights of children and adults to live, work, and play in tobacco smoke-free environments or zones;
6.すべての国土地域は子どもや大人が無煙環境で生活し、働き、遊ぶ権利を確認すること。
7. That, as one of the steps to becoming advertising free, international agencies concerned with the preservation of culture and protection of the environment exclude all tobacco advertising in areas under their jurisdiction; (e.g., World Heritage sites)
7. 広告排除の一段階として、文化保護と環境保全に関する国際機関は、その管轄下にあるすべての地域からたばこ広告を排除すること(例:世界遺産認定遺跡)
8. That all countries and areas develop and implement national plans of action to control tobacco, including legislation, education and tax policy;
8. すべての国および地域は法規制、教育、課税を含む全国規模のたばこ対策行動計画を策定し、実施すること。
9. That countries and areas take legal action against tobacco companies for compensation for tobacco-caused health care and other costs;
9. 国および地域はたばこ会社に対し、たばこに起因する医療その他のコストの補償を求める訴訟を起こすこと。
10. That all countries and areas require full disclosure of the risks to consumers of tobacco use;
10. すべての国および地域はたばこ会社に対し、たばこ使用のリスクの全面的情報公開 を要求すること。
11.
That governments and regional agencies collaborate to establish an Asia-Pacific center or network for research in tobacco control;11. 各国政府および地域の機関はたばこ対策研究および調査のためのアジア・太平洋センターまたはネットワークを設立するために協力すること。
12. That countries and areas collaborate in measures designed to eliminate tobacco smuggling; and
12. 国および地域はたばこ密輸を排除するための対策を協力して行うこと。
13. That all health professionals, politicians, scientists and their institutions should reject funding, personal income and other resources from the tobacco industry.
13. すべての医療関係者、政治家、科学者およびその研究所はタバコ産業からの基金、個人収入、援助を拒否すること。
以上
今回の参加国
インドネシア、オーストラリア、カナダ、韓国、カンボジア、サモア、シンガポール、タイ、台湾、中国、日本、ニュージーランド、フィジー、フィリッピン、香港、ブルネイ、ベトナム、マカオ、マレーシア、モンゴル、USA、ラオス、(以上22カ国)
次回の会議予定
1999年6月12日 APACT結成10周年記念式 台湾にて
2000年8月 第11回たばこか健康か世界会議 シカゴにて開催
2001年10月 第6回アジア・太平洋たばこ対策会議 香港にて開催
(1998年12月10日 第5回アジア・太平洋たばこ対策会議報告会)
Can Do Harajuku 所長